Derawan

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デフリンピックをちょっとだけ

スポーツ関係者ではなく詳細は知らないのだが、2022年5月1日~15日開催の24th Deaflympics(Deaflympics 2021)をちょっとだけ調べた。

パラリンピックと統合しない?

世間では「デフリンピックパラリンピックへ統合させればいいのでは?」という声が後を絶たない。その理由が簡単にわかる記事が、全日本ろうあ連盟の「デフリンピック」から辿れる。

Deaf Sports & Deaflympics ろう者スポーツとデフリンピック」(ドナルダ・アモンズ博士)

そこから少しだけ抜粋する。

ろうの選手独自のコミュニケーションの必要性に基づいての、IPCへの手話通訳費用の負担、増え続けるろうの参加者の受け入れ困難を鑑みて、ICSD は、IPC からの脱退以外の選択肢はないと判断した。ICSD の会議構成メンバーは、パラリンピックに出場するのであれば、ろうの選手のための競技会の数を減らすことは支持できないとした。IPC も、必要とされる手話通訳の数を鑑みて、相当数の競技会を減らすことが出来ないのであれば、上位団体にはなれないという立場を明らかにした。

ひとことでいうと、障害者とはいえ一括りにできない利害関係がある、いうことになるかと思う。スポーツ庁の「障害者スポーツ」を見ての通り、他にも「スペシャルオリンピックス」もある。

選手・スタッフの自己負担

上記のアモンズ博士のレポートで、もう一つ着眼したいのが、次の部分。

デフリンピック委員会のない国は、ろう者スポーツ協会の存続も極めて難しい。(中略)ろう者スポーツ連盟が疎外され、国内パラリンピック委員会の管轄となることは、ろう者スポーツの死につながる。(中略)国内パラリンピック委員会がろう者スポーツを傘下に置こうとしている国では、練習やユニフォーム、国内外の大会旅費、そして、デフリンピック参加への資金は限定されている。

今回のデフリンピックへの参加国は67カ国。ロシア、ベラルーシ次の国の選手が戦争問題で出場除外、中国もCOVID-19問題で出場辞退となっている。パラリンピックの164カ国に比べて少ない。

日本については、一次情報が不明だが、「2連覇めざす女子デフバレー・長谷山優美、金メダリストでも自己負担30万円の厳しい現状だが行かない選択肢はない」にあるように、選手やスタッフは一人当たり49万円の自己負担が必要という通達が出たとのこと。そのため、少しでも負担を減らすべく、クラウドファンディングなどで募金した協会がある。

次回のデフリンピックは?

2025年夏季大会を日本で開催できるよう、現在もなお、招致活動が行われている。平成30年(2018年)の第196回国会の衆議院、のちに予算委員会や総務委員会でデフリンピックについての質疑応答が行われた模様。